2014年05月12日

いよいよ本番!論文直前アドバイス

本試験直前のアドバイスです。なんらかの役に立てば嬉しいです。


★憲法

◎問題提起
…(国等)の行為は、X(原告)の〜する権利(ここでは、生の生活利益)を侵害し、違憲か。(ここは端的でよい)

◎人権
〜する権利は、憲法○○条で保障されているか。
→憲法○○条は、本来は…する権利を保障するもの。
→本件の〜する権利は、××する点で○○条で守ろうとしている利益があるといえる。ことに現代社会においては△△なのであるから、このような利益を保障する必要性は高い(←ここをしっかり論じないと点数は来ない。個々の生活利益の特殊性に注目しないで、ただ人権パターンにしたがった薄い論証をするのは、避けること)。
→よって、〜する権利は、憲法○○条で保障されるものである。

◎人権制約
しかるに本問では、Xは…することを余儀なくされているのだから、Xの〜する権利は制約されている(制約が強度であることを必ず認定したうえ、示す)。

◎合憲性判定基準
当該人権一般の重要性をまず述べる。
→次に本問で問題となっている具体的人権(生活利益)の重要性を力説する。そして、規制態様の強弱についても述べる。
→そのうえで合憲性判定基準を出す(ここまでの流れを省略してはいけない)。

◎あてはめ
法令違憲の主張では、立法事実を広く挙げる。ここで司法事実との違いをあまり厳格に区別しない。どっちとも取れるものは、拾うのが無難。

◎適用違憲
判断基準を示すこと。合憲限定解釈をするなら、その旨を書く。裁量論でいくなら、思考の方向性(他事考慮などなど)を書く。小山剛みたいに判定基準的なものを立てるならそれを書く。
→そのうえで、今度は司法事実を広く拾う。立法事実との区別についてナーバスになるべきでないのは前述の通り。

◎かき分け
原告の主張では、当たり前だが原告に有利な事実しか書かない。
国側の主張は、あくまで軽く書く。
あなたの見解では、国側の主張を詳し目に紹介しつつ、両見解のプラスマイナスを指摘しつつ、総合判断をする。
★なお、三者の見解は、項目やタイトル名を揃えて、対応関係が一見して明らかになるようにしておくこと。

★行政法

◎誘導で示されている論点には、すべて触れるようにする。骨太な答案のイメージで。個別法を深追いしないこと。
なお、誘導は、だいたい論点ごとに意味のまとまりを形成している。『ここからここまでは、この話』という意味で、大きく線で区切るとよい。

◎とにかく『仕組み解釈』が命。
行政庁の行為が、このような順番で、このような行為が積み重なる、そしてこのような法的効果が発生する…という説明を省略しない。この説明を、条文を丁寧に引用しつつ答案上に記載すること。(確実に点が入る。)

◎三段論法を堅守すること。
特別法の条文のときこそ、『条文文言→趣旨→規範』のステップを必ず守る。そして答案上にハッキリと表現すること。→あてはめは、以上のステップを踏んだあとにすること。これらを省略しては『あてはめ』の体をなさないことに注意。
なお、あてはめには、プラス事情とマイナス事情の双方を盛り込むこと。

◎対比に注意
行政法は対比に注意すること。
人物が複数出てきたら、それらの比較を。同一レベルの法令(通達など)が複数出てきても注意。
ここに注目できると点を取れる。

◎判例問題
本問事案との、共通点と相違点を示すこと。
そのうえで、判例の結論の正当性を支える理由のうち、もっとも骨太で本質的な理由を取り出す。そのうえで、その理由が、本件の事案にも妥当するか論じればよい。←射程が及ぶ及ばないの話。

◎とにかく早く走り出すこと。
行政法は、なるべく早くかきはじめること。そう意識しないと、時間だけがどんどん経過する。
書く時間が多くあるだけ、事実を多く拾え、点数が入る。誘導に示されたことだけ書けばいいという意識で。

★民法

◎要件事実
要件事実の分配は、は条文構造からスタートして。あとは実体法上の判例通説に合わせて修正する。そして、なぜその事実が請求原因(または抗弁など)に位置づけられのか、理由を書くこと。ここで実体法の理解を示せるといい。
それ以外の出題について。難易度の見極めが大事。親族相続は条文を丁寧に示しつつ、ちゃんと時間と分量を確保して書けば、点になる分野。ただし、最後の設問に配置されてることが多いので、時間配分に注意。
あと、他の人がガッツリ書いてくる部分(典型論点)は、あっさり終わらせると書き負けするので注意。

あと、時系列は間違わないように!事実誤認や、問題文読みおとしにも注意。

★会社法

◎条文選択を誤らないことが大事。
さがした条文が適切かは、過去の類題の曖昧な記憶に引きづられるのでなく、章→節→款→目のタイトルから、主観的でなく客観的に判断すること。
また、推定規定と免責規定に注意すること。当該条文の別な項、それに2〜3個くらいの範囲で、前後を探してみる(その款や目の条文タイトルだけ見られるとベター)。

◎内容面では攻めと守りを意識すること。

★攻め。
典型問題は丁寧に書いて点をとる。
すなわち、要件は『もれなく』示す。解釈を要するところには理由をしっかりつけて解釈して規範を導き出す。
事実は、広く拾う。とくに本件に特殊な事情は必ず拾う。会社の規模や業務内容にも注目する。任務ケタイの『任務』の内容を具体的に示すことを忘れない(←ここは差がつく)。

★守り
まず条文などを、そのまま形式的に適用した場合の、論理的帰結を示す(ここで論理性アピール)。
→つぎに、その論理的帰結の不都合性を指摘した上、『不都合→修正』という流れ。
ここで、条文の趣旨→規範→あてはめ…という三段論法を崩さないこと。


★民事訴訟法

◎出題の把握
典型問題と、複数訴訟などの手薄になりがちな分野の知識を訊く問題、それに応用問題がある。問題が配られたら、各設問の内容が、以上のどれに該当するかを把握し、難易度(点の取りやすさ)の目星をつけること。

★基本…攻め
結局、この科目では、上記のうち前の2つで、丁寧に書いて点を稼ぐのがポイント。ここが勝負の分かれ目。
定義や趣旨を丁寧に書く。解釈が必要なところでは、ちゃんと理由も書く(理由で差がつく)。みんなが書けるところは、『軽く触れただけ』では不足!以上のように丁寧に論じないと人に差をつけられる。あと小論点も必ず拾うこと。

★応用
◎誘導に示された指示はしっかり守ること。加えて、各小問の守備範囲を意識すること。言い換えれば、『或る論点は、どの小問で論じることが要求されているのか?』。ここを誤ると、二度書きや、違う設問で論じて配点を丸々落とすリスクが出てくる。

◎既判力やら弁論主義の存在意義に遡って考えると、なんとか守れるはず。…まずは形式的な帰結を示す→不都合性の指摘→ある原理原則の趣旨→規範定立→あてはめ…とやるといい。

◎判例問題(全科目共通)
民事訴訟法でも頻出。

本問事案との、共通点と相違点を示すこと。
そのうえで、判例の結論の正当性を支える理由のうち、もっとも骨太で本質的な理由を取り出す。そのうえで、その理由が、本件の事案にも妥当するか論じればよい。←射程が及ぶ及ばないの話。


★刑法

◎実行行為の個数に注意すること。
もちろん各行為は独立しているのが大原則。にも関わらず、複数にも思える行為が、(ひとつの)一連の行為だといえるためには、それなりの理屈がなければならない。判例などを参考にして論じること。

◎定義は遺漏なきように。
メジャーな定義(『焼損』など)は正確性が求められる。
マイナーな定義(『放火』など)は、正確性が厳しく求められるわけではないが、定義自体は書くこと。
なお、定義には理由をつける必要はない。

◎複数人の罪責を問う問題では、共犯は必ず出ていると考えること。
★共犯の視点
●共同正犯を成立させる目的は?→結果を帰責させることが目的である。(例えば、『乙丙の一連の暴行のいずれかから傷害結果が発生→この場合は現場共謀の検討が必要』『背後者への帰責→共謀共同正犯』)
●共謀で大事なのは?→意思の連絡。これが決定的に大事。
●共犯論で問われるのは?→ズレ。…これに尽きる。主観面客観面それぞれについて。ここに正面から向き合うこと。『甲は窃盗の意思→乙がやったのは強盗。しかも傷害結果が発生→さらに甲が乙の知らないところで被害者を死亡させた』『甲は間接正犯の意思→乙の道具性喪失』『乙丙の当初の傷害罪共同正犯は正当防衛成立→それに連続する乙がやった追撃行為につき、丙が責任負うか』などなど

◎共犯論は、実行犯のところで書かず、共謀しかしてない者のところで書く。
また、共同『正犯』性は、主観的意図だけでなく、客観的に正犯と評価しうる役割を果たしたかどうかを、事実を拾って認定すること。

◎各論的なところでは、当たり前だが、とにかく論点落としはしないこと。刑法では、小さな論点をきちんと拾うことが特に大事。
そのために、問題文の大事な箇所にはマーカーを引くなどして、読みおとしを防ぐこと。

◎判例知識のアピールを。
近年では判例知識が重視される。
そこで、判例の規範や言い回しなどは、なるべく書くこと。
ただし、主語を『判例は』とやるのはNG。聞かれてるのはあくまで解答者自身の見解なのだから。

◎周りの人間が何をどのくらい書いてくるのか?という視点を失わないこと。みんなが書いてくるところは自分も書くこと。
書き負けだけは避けたい。

★刑訴

◎時間配分に注意。
最悪のパターンは、前半がダラダラ。後半時間切れスカスカ。
→全体を見渡して、各設問の論点内容と難易度を大まかに見極め、時間配分を決める。
方針は、とりやすいところに、十分な時間とスペースをとること。

★捜査…最近では、捜索差押えや、逮捕、勾留などの要件をあげさせて、それにあてはめさせる問題が流行り。
これらが出たら、当たり前だが、全ての要件を検討すること。特に明文にない『必要性』や『被疑事実との関連性』といった要件を落とさないように。休み時間に軽く見ておくのがベター。

いわゆる予備校的典型論点が出たら、丁寧に判例の規範を示して、無難に書くことが大事。明文にない捜査方法については、そもそも許されるか?の検討を忘れずに。強制処分か任意処分かという議論もを省略しないこと(ここにも配点あり)。

◎以下は捜査一般に共通。

あてはめでは、とにかく事実を拾うこと。『事実には配点がある』ことを忘れない。
特に本問に特殊な事実(普通ではないイレギュラーな事情や、何かと比較してる事情)は必ず拾うこと。

★公訴公判

いちおう訴因関係の論点や、自白法則、補強法則の論点はちらみしておこう。
伝聞は、立証趣旨から、まずは要証事実の確定を。ここは一義的な正解はないので、アバウトでいい。視点は、『この証拠を出すことで、直接的に証明したいのは、要するに何か?』というもの。

そのうえで、要証事実との関係で、原供述内容の真実性(原供述の存在ではなく)が問題となるかどうか検討。つまりは、原供述内容と符合する事実を要証事実としているかどうかを検討する。
あと、伝聞では、条文を丁寧に検討すること。条文選択は、あくまでも正しく!しかも、全要件の正確な検討が必要(たとえば、二つの特信状況の違いは把握しているのか、相反供述の定義を書けるのか…など)。

あと、伝聞からみでは、弾劾証拠は要注意。これもチェックしとこう。

posted by 弁護士 金沢幸彦 at 14:08| Comment(0) | 日記
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